花見

 4月6日に婦人会と壮年会で「花見昼食会」を行いました。以前は婦人会だけで行っていたのですが、昨年からでしょうか一緒にするようになりました。

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 しかし考えてみると日本人は桜が好きですね。どうしてだろうかと思いますが。江戸時代には落語などにも出てきますが、庶民の間でも花見は盛んだったようですが、元々は貴族たちの遊びだったようです。平安時代は春と秋に貴族たちが花見を楽しんだようです。

 桜は10種類の自然種をもとに、変種や栽培によるものなど200から300種類ぐらいあるそうです。古くは奈良時代から栽培されていたようです。「西宮舞桜」という名前のついた桜もあるそうです。

 この桜が日本人の精神性とつながり、桜が忠義愛国のシンボルとされて、多くの若者たちが特攻隊として送り出されて行った過去もあります。そこには学問的根拠もなく桜が日本固有の花として考えられ、国花として考えられてきたことがあるように思われます。桜は中国にも小アジアにも東ヨーロッパにも自生しているようなのでが、明治国家のオピニオン・リーダーたちが脱亜入欧政策の一環として国花は桜ということを植え付けたのである。

 桜はどうして日本固有のものだと考えるようになったのか。「古事記」に「爾(ここ)に『誰か女ぞ』と問ひたまえば、答え白ししく、『大山津見神(おおやまつみのかみ)の女、名は神阿多都比売(かむあたつひめ)、亦の名は木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)と謂う』とまをしき」とありますが、この「このはなのさくやびめ」の「さくや」が転化して「さくら」になったのだから、神代に桜が存在したのだ。だから桜は日本固有と主張されてきた面があったようです。それを言ったのが本居宣長だということです。その他「日本書紀」にも天皇の宮殿が「稚桜宮」と呼ばれたと出てくるようだが、しかし、それで日本固有とはいえないようにも思います。ただ、権力と桜が結びついたと思われる。

 ともかくも桜の美しいのは絶対のようだ。西行法師のうた「ねがはくは花のしたにて春死なんそのきさらぎの望月の頃」「ほとけには桜の花をたてまつれ我が後の世を人とぶらはば」。世界の花として桜を楽しむ心があるように思います。桜が狭小な志向を生んで行くようなナショナリズムと繋がらない事を願います。

 抗議の中の聖化リレー、民族が他の民族を抑圧する事は許されないことだ。すべては神の作品なのだから。

投稿者: 日時: 2008年04月08日(火) 23:36