戦い生きる人の姿

今、スポーツの世界が元気だ。「浦和レッズ」がクラブチームの世界大会で第三位に輝いた。公式戦でヨーロッパチャンピョン「ACミラン」と戦うまでになったのですから。確かに見ていて点差(1-0)以上の実力の差があることは、素人の私の目にもわかるほどですが、しかし一つの大きな目標が日本のサッカー界に与えられたことは確かです。

 また「星野ジャパン」が北京オリンピック出場のキップを手にした。「金メダル以外はいらない」と星野氏が言ったとか。そもそもオリンピックで野球が行われるようになった最初の大会で日本がキンメダルをとっている。それ以後、プロが参加できるようになりましたが、金メダルは取れていない。星野氏の思いの中に、この北京大会で野球がオリンピックの競技から外れる事になり、野球としては最後の大会となるので、やはり金メダルを日本がとって、終わりたいという思いがあるのかも知れません。

 サッカーにしろ野球にしろ、日本の選手が世界や大リーガーで活躍するようになってきました。徐々にその力をつけてきています。しかし、今、その大リーガーが選手の薬物使用で揺れています。日本で活躍している選手の名前も挙げられています。はたしてどうなっていくのか。

 サッカーの選手ちとしての寿命は短い。まだ野球の方が少し長いかも知れませんが、ともかくも40歳は厳しい年齢になります。肉体の衰え、寿命が短い。そんな中で少しでもよい成績を、よい結果を残しておきたい。それが彼らの生活に直結していきます。そりゃあ、松井が年俸15億円、イチローが年俸11億円、松阪が年俸10億円と言われていますが、それだけ稼げたら心配は要らないでしょうが。いや、金だけの問題ではない。選手としたて世に出た以上、結果を残し、名を残し、殿堂入りしたいと願うのは当然です。そのために体を鍛えなければ、その効果をあげるために・・・・、ということになるのでしょうか。

 ヘミングウェイの「老人と海」の中の一節に、「昼過ぎ、一団の旅行者がテレイス軒に寄った。すると、ビールの空鑵や死んだ魳のちらばっている水面をみおろしていたひとりの女が、そこに大きな尻尾をつけた巨大な白骨を認めた。尻尾がぐらりと動く。港の入り口のそとで、東の風がうねるような大波を吹き送ったのだ。・・・・道のむこうの小屋では、老人が再び眠りに落ちていた。依然としてうつ伏せのままだ。少年が傍らに座って、その寝顔をじっと見守っている。老人はライオンの夢を見ていた」とあります。ヘミングウェイは、戦い生き抜く人間の姿を描いています。老人は戦い抜いて、敗北し、今、ライオンの夢、英雄の夢を見ています。

 「風は南に向かい北へ巡る、めぐり巡って吹き、風はただ巡りつつ、吹き続ける」
                     コヘレトの言葉1章6節

コヘレトの言葉は「日は昇り、日は沈み、あえぎ戻り、また昇る」とも語ります。この太陽の下、風が巡り続けるように、人間の戦い抜く生き方は続けられていきます。創世記32章に、神の使いと夜通し戦い、傷ついてもさらに前進しようとするヤコブの姿があります。このヤコブの血は今も人間の中に流れていますが、その彼の晩年の言葉、「私の旅路の年月は130年です。私の生涯の年月は短く、苦しみ多く、私の先祖たちの生涯や旅路の年月には及びません」。そしてヤコブは、何も持たないで神の約束の地であるカナンに葬られるのです。そこがヤコブの安住の地でありました。

 人生、様々であるが、自然体のままで戦うことでいいのではないかと思います。

投稿者: 日時: 2007年12月17日(月) 18:40