東鳴尾ルーテル教会

礼拝から

今週の礼拝メッセージ

2023年5月21日 「高い所からの力を受けて」ルカ福音書24章46節~53節
「先に第一巻を著して」(使徒1:1,2)。第一巻とはルカ福音書のことで 内容は「イエスが行い、また教え始めてから、お選びになった使徒たちに聖霊を通して指図を与え、 天に上げられた日までのすべてのことについて」です。第二巻は使徒たちが聖霊に強められ、導かれ て主の使徒として生き、語り、行ったことが記されます。使徒とは「遣わされた者」という意味で名付 けられたのは主御自身です(ルカ6:13)。すでにそこに「彼らを遣わす」という主の御心が語られてい ました。 何のために派遣されるのか?ルカ24 章46,47 節。①メシアは苦しみを受け、②三日目 に死者の中から復活、③罪の赦しを得させるための悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に 宣べ伝えられるためにです。 誰に宣べ伝えるのか?あらゆる国の人々にです。弟子たちは「イス ラエルのために国を建て直してくださるのは、この時ですか」と主に尋ねました。主はそれを否定し、 「エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また地の果てに至るまで、わたしの証人と なる」(使徒1:8b〉と言われました。何故ならば神の救いの御業は続くからです。人の常識や期待を遥 かに超える、深くて高くて大きくて広い神の御心であります。そのために弟子たちを、そして今の私 たちを主の使徒、証し人として遣わされるのです。大変な使命です。自分の力や努力では出来ません。 だからこそ主はこの使命に先立ち、「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける」(使 徒1:8a)、「私は、父が約束されたものをあなた方に送る。高い所からの力に覆われるまでは、都に留 まっていなさい」(ルカ24:49)と約束し、教えてくださいました。聖霊は、私どもと共にいて、内に いて強め、慰め、執り成し、教え、導いてくださるお方。私どもがまずすべきことは、聖霊の働き、導 きを待つこと。主の御言葉を聞いていくことです。落ち着いて主に信頼し、静かに待つことが出来る ようにしてくださるのもまた聖霊の働きです。 「なぜ天を見上げて立っているのか…イエスは…ま たおいでになる」。私どもも天を見上げ立っている者ではなく、主に遣わされていく使徒であります。

以前の礼拝メッセージ

2023年5月7日 「心を騒がせるな。神を信じなさい。」ヨハネ福音書14章1節~14節
「主がおられなくなる」と聞き、心騒がせ、動揺する弟子たち。主は言われま す。「心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい」。心を騒がせるという御言葉を主は他 の所でも仰っています。興味深いのは、そう仰った主の方が心を騒がせられたこと。ラザロの死を嘆き悲し み泣き続けるしかないマルタとマリアたちをご覧になった時。人の子が栄光を受ける時が来た、すなわち十 字架の死をはっきりと見つめながら、一粒の麦、地に落ちて死ねば多くの実を結ぶと教えられた時。そして ユダの裏切りを予告された13 章21 節。主が心を騒がせられた出来事です。それは主が死や様々な困難を 恐れたからではなく、罪と死の力に支配されている私たち人間を深く憐れみ、心を騒がせられたのです。ユ ダは悔い改めの機会を与えられながら悔い改めることなく、主の前から出て行きました。命ではなく、滅びへ と行ってしまう。主は心を騒がせずにはおられなかったのです。 私たち人間は、実に様々なことで心を 騒がせてしまいます。信仰があっても悩み、揺れ動きます。そのような私どもに主は言われます。「わたしは 道であり、真理であり、命である」と。最後で最大の死に直面する時にも、私たちが心騒がせず、それどころ か死の所でも光をしっかりと見つめ、死の先に神が立っていてくださることを信じて心騒がせずに今を豊か に生き、死ぬために、主が心を騒がせ、十字架についてくださったのです。死の問題だけでなく、先が分か らないとか困難と可様々なことで悩む者を、主は永遠を見渡す御目で見つめ、私の痛みや悲しみ不安を理 解しながら道を備え、わたしを信じてこの道を行けば良いと御声をかけ、導いてくださるのです。この事実を 忘れて、主を横に置いて悩むのではなく、主を信じて生きるために、心騒がせるなと仰った主は十字架につ いてくださるのです。真理と命の道であり、真理と命である神への道。この道にあるならば、困難や悩みが襲 ってきても安心して進むことも、立ち止まることも、退くことも出来る。そのような道であり、真理であり、命なる 主イエス様。私たちがなすべきことは、どの道をどのように生きるかではなく、主のもとに留まり続けて生きる こと。これが重要です。 主の道にしっかりと立って歩み、私らしく神の業に用いられていきたいものです。




牧師紹介

 砂原律子(すなはら・りつこ)